- トップ
- 医科診療(認知症診断)
医科診療(認知症診断)
診療科ポリシー
当科は、認知症診療の第一線にいる専門医が、ハイエンドな検査を基に、根拠に基づいた最新の医学的知見を総動員して認知症性疾患の早期発見に努めてまいります。
早期発見の目的は一つ、キーワードは“健脳”。
人生100年時代。日々を謳歌したいと願う方は多いはず。
その為には、心身の健康、体に指令を出す脳の健康が必須といえるのではないでしょうか。
当科では、生活習慣病や歯周病、その他の疾患も総合的に評価しながら、集学的アプローチで健康な脳の活動、“健脳”を得られるお手伝いしてまいります。
診療内容
- 神経学的診察
- 一般理学的診察
- 血液生化学検査(ApoE遺伝子4※、その他専門項目網羅)
- 認知機能検査
- 海馬MRI
- amyloid-PET or 脳血流シンチグラフィ
他、適宜必要な検査項目をオプションとして追加します - 結果説明、治療提案
ApoE4遺伝子とは
アルツハイマー病のリスク遺伝子です
E4を全く持たない遺伝子型に対して、E4を1つないし2つ持っている遺伝子型のアルツハイマー一病発症リスクは、最大で約12倍高くなると言われています
認知症とは
今や、国家的課題となった認知症。何等かの疾患が原因となり、脳の認知機能が障害されることで、独力では社会生活を送れなくなった状態(病態)を「認知症」と定義しています。
従って、「認知症」は状態(病態)名ということになります。
用語の成り立ちからも明らかで、認知症を指す英単語 dementia は、狂わせるという動詞 dement に、病名に用いられる語形成要素の ia で構成されています。dement は、ラテン語で「自分の心を失わせる」という意味の dementare に由来し、dementare は「正気でない、狂っている」という意味の demens から派生した語です。
従って dementia は、「自分の精神が本来の自分から逸れた状態」を指す用語ということになります。
この「認知症」、原因となる疾患は60種類程度あり、原因疾患ごとに認知機能障害の主たる症状は異なります。
認知症イコール「物忘れ」という誤解
多くの方が誤解しているのが、「認知症」すなわち「もの忘れ」という図式です。
認知症を規定する因子はあくまでも「何らかの原因により脳の認知機能が障害され、社会生活を送ることが困難になった」ことであり、「もの忘れ」は認知機能障害の構成因子ではあっても、「認知症」の規定因子ではありません。
「もの忘れ」があっても問題なく社会生活を送っている方は大勢いらっしゃいますし、「もの忘れ」が「認知症」の規定因子ということであれば、ほとんどの高齢者が「認知症」患者ということになってしまいます。
原因となる病気ごとに脳の主たる障害部位は異なり、それ故「認知症」の症状や病像は原因疾患によって異なります。
例えば、行動障害型前頭側頭型認知症(旧称ピック病)の場合、前頭葉が障害されることで「もの忘れ」はないけれど自分の置かれた状況を理解出来ず、社会通念との整合性を判断することが出来なくなります。その為、場にそぐわない行動や反社会的行動を取るようになり、社会生活に支障を来すことになります。
このように、もの忘れはないけれど、その他の認知機能の障害により社会生活に支障を来した「認知症」も存在するのです。